3年前の自分は別人、を他のひとにも当てはめてみる。

自分の3年前を思い出すとまさに別人であり、5年後のことなんてわかるはずもない、なんてことを以前にもちょっと書きました

はてなに入社して一年半ぐらいが経ちましたが、技術はもちろんそれ以外にもその間に得た物もの相当大きくてやっぱりその時と比較して今の自分は別人だなあと思います。

これは自分だけじゃなく、周囲を取り巻く人という人すべてがそうであって、そういう風に考えるといろんなものが見えてくる。

僕は近頃「初心者」という言葉の使い方に気をつけるようにしています。

特にウェブアプリケーションを作るなんて話で議論になると「初心者」という単語が良く出てきます。「初心者にもやさしい」とか「初心者でも扱えるように」とか。でも、初心者っていうのは3年後は初心者じゃない。上級者は3年後も上級者だろうけど。そして本当に初心者である期間はほんとに短い。だから「初心者にわかりやすい」みたいなところを中心に議論を進めると、罠にはまる。

そのアプリケーションを使って欲しいのは本当に初心者なのか。その初心者は、1年後には初心者じゃなくなっているんじゃないのか。初心者に合わせて作ったものは、1年後にはその成長した初心者にとって価値を提供し続けられるものでいられるのか。

はてなブックマークの機能を追加するときは、いつもこういうことを考えています。

はてなブックマークをより使い易いように改良したいと思うけど、それは「初心者に使い易い」ようにする観点ではなく、あれはウェブを見るのが大好きな人たち向けのツールなんだから、初心者が成長してきたころに使うためのツールなんだと。

だから、「使い易い」というのと「初心者にわかりやすい」というのは別の話なんだ、そういう風に考えながら色々改善する。「初心者"にも"分かりやすい」のはもちろんベストですが、それが「初心者向け」に変化してしまって、やたらと説明文の多い設定画面だとか、最小限で済むはずのインタフェースが冗長になってしまったりとか、そういう罠にはまらないように。

初心者の話以外にもいろいろあります。

3年前に JavaScript で地図サービスを作ると言ったらおそらく馬鹿にされたかもしれない。でも今では当たり前のような話になってきた。そしてさらに3年後には、スクリプト言語がどうだこうだという話よりも、関数型言語がどうだこうだっていうのがウェブの世界で常識になってるかもしれない。いまそういうことに興味を持ってる人たちが成長して、彼らがメインストリームになるかもしれない。数年前に Rubyウェブアプリケーションというのがマイノリティだったのが、いまやそれが最新流行であるように。

なので、3年後は、自分が今の自分ではなくなっていられるように、自分自身に投資していかなければいけない。その中でアンテナを高く張って、何を学べばもっとも重要なところを外さずに自分が成長しているか、そういうことを考えて成長していかないと、と思います。