あけましておめでとうございます
2007年に読んだ本を紹介するのが流行っているようなので、便乗して一冊紹介します。とは言っても自分が紹介するのは 2007年発売の本ではなく、2000年に出版された書籍です。
- 作者: ダニエルヒリス,W.Daniel Hillis,倉骨彰
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2000/10/01
- メディア: 単行本
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内容の方は、ブール代数と論理回路にはじまり有限状態機械、チューリングマシン、アルゴリズムとヒューリスティクス、量子コンピュータ、並列計算機、遺伝的アルゴリズムまで、近年のコンピュータサイエンスの大枠をわずか 278 ページで解説するとともに、なぜその概念が問題解決に必要なのか、またその技術の応用の結果、どのような未来が待っているを述べる読み物的な書籍です。コンピュータサイエンスを専攻してこなかった自分にとっては、とても面白かった。
個人的には、この書籍のすばらしいところは、物事の限界を論理的に捉えることの大切さを、コンピュータサイエンスのこれまでを以って示してくれる点だと思いました。コンピュータにできて、コンピュータにできないことは何か、それを論理的に捉えたところからスタートする新しい技術の開発。また、同時にコンピュータの世界にはまだまだ未来があるということをも示してくれるところ。「コンピュータは人の作りしものなので人間を越えられない」という考え方は違うよと、我々コンピュータ技術者に勇気を与えてくれる本でもありました。
2008年もよろしくお願いします。