さくらインターネット移行記#6 移転完了

さくらインターネットのデータセンターへのシステム引越し作業が、今日完了しました。最初にこの移行記を書いたのが 昨年の1月 でしたので、約 1 年です。今日は恒例の TGIF (Thank God It's Friday の略だそうです。金曜日の夕方はビールを飲みながらスタッフ全員で一週間を振り返ります。) で、1年間おつかれさまと労いの言葉をもらいました。とても嬉しかったです。

よい機会なので、旧サーバールームの写真を撮ってきました。まず一枚目の写真は移転前のものです。(もう少し引いた写真が欲しかったのですが、見つかりませんでした。)

このような具合で各ラックにサーバーが詰まっており、また一時期はサーバーがラックに入りきらないため外に棚を作って、そこに固定したりということを行ってなんとか凌いでいました。

これが移転後、ちょうど 30 分ほど前に撮って来た写真です。サーバーはなくなり、残すところ 1 ラックとなりました。このラックにはサービスには直接使用されていないサーバー、例えば開発用のサーバー等が残っています。

この最後のラックの扉を開けた中身は

こんなレイアウトになっています。データセンター本丸とこのラックを結ぶ VPN 機器や、開発用サーバー、光ファイバーの回線終端装置などが入っています。サーバーの合計は 20台弱ほどです。

移転をして良かったことは色々とあるのですが、ひとつはデータセンタ移動を機に、インフラの設計を大幅に見直すことができた点です。システムの移転は長時間サービスを停止する機会、物理的な配線そのほかをやり直す機会でもあります。

冗長化の強化、古いハードウェアを新しいハードウェアへ換装、ソフトウェアの入れ替え、32ビット OS を 64 ビット OS に...と、大き目の作業をひとつひとつ潰していくことができました。もともとは回線の帯域や電力がボトルネックになって移転を決めたのですが、結果としてシステム全体の強度が何倍にも増し、最近は深夜も安心して眠れるようになりました。

社内にインフラチームを作ることができたのも大きな収穫でした。サーバー台数 300 台のシステムは、社員 20 名程度のベンチャーにとっては大きすぎました。チームワークを以って挑まなければなかなか難しい課題です。チームを発足した当時は、どうすれば一人でやるよりもチームでやる方が効率よく取り組めるだろうか、というところからのスタートでした。一年間、試行錯誤を続けながらチームワークを育んできた結果、阿吽の呼吸で連携できるよいチームになったと思います。こうして無事計画どおり移転が終えられたのも、彼らの努力あってこそです。(それから、id:lopnor ありがとう。)

こうして、一皮向けたシステムと、それに取り組む体制、インフラを支える基盤としての技術と人との両輪ができあがったところで、自分の仕事はひと段落。インフラチームのリーダーとしての仕事はちょうど移転が終わった今月で卒業することとしました。次は、アプリケーション開発を中心とした仕事に戻って、またサービス作りに専念していきたいと思っています。