YAPC::Asia 2008

YAPC::Asia 2008 に来ています。ただいま二日目、昼食休憩中です。

YAPC::Asia も今年で3回目ですが、配布されているスケジュールの冊子や会場案内の立て看板、全体の進行など...どこを見てもそのクオリティが年々上がっているように感じます。今年は昼食が無料で配られていたり、懇親会も無料だったりと、とてもボランティアベースかつ参加料数千円のカンファレンスとは思えない雰囲気です。

1990年代後半の Java ブーム、昨今の Ruby ブーム、関数型言語ブームなどの毎、Perl はその荒波に晒されることもままあるわけですが、こうして 500 人もの人が集まり最新の技術トピックについてわいわいやっていると、この言語とコミュニティの息は思ったよりずっと長そうだし、他言語の流行には相乗りすることはあってもそれによって本体が衰退するようなことはない...という力強さを感じます。

初日の発表で弾さんが、perl5 のプログラミング言語としてのありようとして、オブジェクト指向すら組み込みで無いが故に、そのメカニズムの実現のやりようが幾らでもある、というようなことをおっしゃっていました。その特徴をそのまま体現しているのが、今年の YAPC で度々名前に挙がる注目の Moose で、CLOS や Smalltalk の MOP を perl5 に取り込みモダンなオブジェクトシステムを実現しています。言語の持つ Hackability、誤解を恐れずに言うと「計算された脇の甘さ」とでも言いましょうか、それがその言語の息の長さを決定づけ、また CPAN のような周辺環境、Shibuya.pm のようなプログラマコミュニティ、ビジネス、研究分野など幅広い分野への拡がりへの基礎を築きます。その拡がりがあって初めて、Moose のように言語の外からモダン且つパラダイムを変えるような実装が生まれてくるのでしょう。

Perl プログラミングはとても楽しい。YAPC はプログラミングを始めたばかりの頃に抱いていた、技術への純粋な好奇心を思い出させてくれるすばらしいイベントだと思います。