ネットと非ネットで公私を分けるかどうか

そういう状況下で、まだブログをはじめてない皆さん、特に大企業の中の皆さん、是非ブログを始めてみてください。と言われてもね。「実は大企業の中の人だけど趣味でネット人格作ってブログやってます。会社の人などのリアル知り合いには教えてません」と言う人は多そうです。

これは結構難しい問題ですね。結論からいうと人それぞれ、という無難なところに着陸するのかもしれないけど。安全面から言うと、分けたほうがいいだろうというのは、おそらく大方の人が思うところかと思います。

僕個人としては、両方を経験したことがある以上、それぞれやっぱり違うコミュニケーションが発生するものだと感じています。ブログを書く以前は僕のネット人格はハンドル名で、ネット上の人格として存在していました。とは言っても、ネットだからといって特別に振舞ったりすることはなかったのですが、日々の僕の生活と、ネット上での生活がリンクすることは、オフ会で会った友達とか一部のひとたちとの間だけでした。

一方、ブログは本名を出して、伊藤直也という人が書いていますということでやっている。やっているというよりも、日々生活のこととか技術のこととかを書いていたら「naoya」という名前で知られるようになり、気づけば日々の生活とリンクするようになっていました。実名がどうとかいうことは本質じゃない、たとえ実名だったとしても名前はただのラベルでしかない。ブログのように過去を遡ってその人のパーソナリティを知ることができるような、そういうツールを使いながら、日々の生活に近いことを書く、そういったことの結果だと思います。

どっちがいいかという話は、どっちもどっちですよね。実名でやってるとリスクを取っている分、自分の生活そのものに見返りがあるので、リターンは大きいです。ブログが名刺代わりに使えるし、そこからコンタクトがあって仕事に繋がることもある。

一方、公私を使い分けると安心してネット上でのコミュニケーションを楽しむことができます。リスクを考えているとどうしても変なところまで考えすぎちゃったりして、没頭しきれない部分があったりします。

これからもこの手の話題は、多くの場所で議論されていくのでしょう。

そういえば、よくネットと対比する言葉でリアル、という言葉が持ち出されます。僕はこの「リアル」という言葉に少し違和感を覚えます。(覚えつつも時々使ってそうですが) というのは、こうして伊藤直也でブログを書いていると、ネットも僕にとっては十分現実で、決して仮想現実ではなく、リアルだからです。