del.icio.us に関するつぶやき - その2
弾さんからツッコミをもらったので、返答しておく。
「警鐘」って、なんか小さくても堅実にやって来た町工場が大企業に札束でひっぱたかれて身売りみたいな印象があるけど、少なくとも今回のそれは違うよ。だって、どうみても始めから大企業に売りつけるために作った会社だもん。
警鐘っていうのは「ニュータイプウェブ企業は自社で売り上げ上げて食ってくあるいは IPO するとかってのは無理っぽい、みんな買収目当てでやってんだよね」って世間の人が言い始めるかもしれないよっていう点ですよ。もし、そういう人たちが言うようにこれから先のウェブ企業に買収しかゴールがないってのは、全然夢がないし、そういう意見ばかりが目につくようになってほしくない、そういう意味。
で、del.icio.us が端から買収目当ての会社だったかもしんないじゃん? っていうのはその通りだと思わせる点は弾さんが挙げてくれてる通り。
このとき Bloglines、Flickr は買収目当てでもよかったと思う。なぜなら彼ら自身で食ってくっていうときに、梃子の原理を利用した、少数ながらも低リスクで利益は結構でるみたいなモデルが考えにくいから。でも、del.icio.us はこの二つとはちょっと性格の違うサービスをやってて、そこには梃子の原理をうまくあてこめるような感じだから、自分たちの手でビジネスしてみるっていう選択肢があってもいいよねって思う。
そういう可能性をもったサービスを展開してる企業が、Yahoo!、Google、Amazon あたりの巨人をインフラとした次のウェブでもちゃんとビジネスもできるんですよというところを見せておかないと、それこそ買収しか選択肢がないとか、そういう話になっちゃうなって思うわけです。
「日本の典型的中小企業」的力学なんか始めから働いていない。いかにもハテナオヤ的見解で微笑ましくもあるんだけど、企業のありようとしてメンドリや乳牛ばかりではなく、ブロイラーというのもあるんよというのは知っとかないと、自分が乳牛を育てているつもりがすき焼きが好きな連中にドナドナされちゃうかとをじさん心配しちゃうぞ。
ブロイラーというのもあるんだって例はこれから勉強していくとして、小さな企業に対して外から働く力学を「日本の典型的中小企業的」と言い切るのは僕は賛同できない。
イノベーションのジレンマ (がすべて正解だとは言わないけど) にもある、それら力学を通して"小さな企業が大企業に比較して細かい単位でイノベーションを起こす、それが最終的にその企業の決定力を生みだし大企業に打ち勝つことができる"っていう話は、別に日本企業に限った話ではないし、過去にいくつも例があるんだから。